経理部門でのAI活用術 ~正確性とスピードを両立する次世代業務~
- saikatuakira
- 2 日前
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経理業務は企業の財務基盤を支える重要な部門であり、数字の正確性と迅速な処理が常に求められます。
しかし、経費精算、請求書処理、帳簿管理など、膨大な定型業務に追われがちで、人的リソースの負担も大きいのが現状です。
そこで注目されているのがAIの導入です。AIは繰り返し業務の自動化だけでなく、ミスの削減や分析業務の高度化にも貢献します。
本記事では、経理部門におけるAI活用の5つの方法を具体的にご紹介します。
■活用方法1:経費精算の自動化
経費精算は従業員の申請内容を確認し、証憑(領収書など)をチェックして処理する煩雑な業務です。
AIを使えば、領収書を読み取り自動で仕訳し、不備のある申請は自動でフラグを立てることができます。これにより、チェック時間の短縮と人為的ミスの防止が可能になります。SmartHRやMoney Forwardクラウド経費などは、OCR機能とAI審査機能を備え、経費処理を効率化します。
■活用方法2:請求書処理の効率化
取引先から受領する請求書の金額・日付・取引内容を手入力する作業は、多くの時間と労力を要します。
AI OCR技術を活用すれば、請求書をスキャンするだけで情報を自動抽出し、会計ソフトに連携させることが可能です。AIが不自然な金額や過去との相違も検出できるため、チェックの精度も向上します。活用例としては、freee会計やSAP Concurなどが挙げられます。
■活用方法3:仕訳の自動判定と入力補助
取引ごとに発生する仕訳入力は、知識と経験が求められる作業ですが、AIによって自動化が進んでいます。過去の仕訳履歴や取引パターンを学習し、AIが適切な勘定科目を推定・入力してくれるため、担当者は確認と微調整だけで済みます。
これにより、業務時間の大幅な削減と属人化の防止が期待できます。弥生会計やPCA会計などのクラウド型会計ソフトがこの分野をリードしています。
■活用方法4:月次・年次決算の効率化
決算期は経理部門の繁忙期であり、業務量が一気に増加します。AIを活用することで、決算関連の集計業務やデータチェックを効率的に行うことができます。
AIは過去の傾向や異常値を検出し、報告書の作成まで補助してくれます。月次決算をリアルタイムで進める体制を整えることで、経営判断のスピードも向上します。例としては、AccountSightやDataRobotなどの分析系AIも導入が進んでいます。
■活用方法5:内部監査・不正検出の高度化
AIは大量のデータを高速で分析できるため、経理データの中から不自然な取引や不正の兆候を発見する用途にも活用されています。
異常な金額パターンや不自然な時系列の処理などを自動で検出することで、監査業務の精度とスピードを両立できます。AI監査ツールの例には、MindBridgeやAuditBoardがあり、ガバナンス強化にも役立ちます。
■まとめ
経理部門におけるAI活用は、単なる業務の効率化にとどまらず、正確性の向上、リスクの低減、そして分析能力の強化といった幅広い効果をもたらします。
日々の経費精算から決算、監査に至るまで、あらゆる業務フェーズでAIがサポートしてくれる時代です。まずは小規模な業務からAI導入を試み、業務改善の成果を積み重ねていくことが、経理部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる鍵となるでしょう。
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